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Les Palets d’Or de Benard Sérardy ベルナール・セラルディの「パレ・ドール」 その2

パレ・ドールの受難と栄光

商標登録事件?
1898年、Benard Sérardy ;ベルナール・セラルディにより考案された「Palets d’Or ;パレ・ドール
Moulins ;ムーランの町ではすぐに評判となって、町にある他のショコラティエもパレ・ドールを作るようになり…。
それでもベルナールに特許を取ろうという考えはありませんでした。
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フランス中にその名声が知られるようになった頃、
あまり良心的とは言えないSt Germain en Laye ;サン・ジェルマン・アン・レイのあるショコラティエが
なんと!パレ・ドールの商標登録をしていたのです。

店がCarré ;キャレ夫妻の所有となり、パリの百貨店「Au Bon Marché;オー・ボン・マルシェ
(現在のLe Bon Marché)」でもパレ・ドールが販売されるようになった1923年、突然事件が起こりました。
サン・ジェルマン・アン・レイのショコラティエに委任されたある執達吏が売り場に現れ、
こちらのショコラティエこそがパレ・ドールの本当の考案者である」として1912年の商標登録を見せたのです。

そこでパレ・ドールが確かに「ベルナール・セラルディの考案したものである」ということを認めて貰わなければならなく
なりました。幸いムーランの市長や同業者、お客たちかた多くの証言もえられたことから
裁判では次のような和解案が成立しています。

サン・ジェルマン・アン・レイのショコラティエは、この商標登録を二度と使用しないと約束する。その代わり
Palet d’Orという名前とそのボンボンは公のものとし、全てのショコラティエが製造・販売することが出来る。
メゾン・セラルディだけが『Les Palets d’Or création Sérardy(セラルディが考案したパレ・ドール)
という呼称を使用する権利を有する。



パレ・ドール100周年記念
その誕生から100年が過ぎた1998年、パレ・ドール百周年を記念し
Les Amis du Palets d’Or ;レ・ザミ・デュ・パレ・ドール」という協会によって、9月26日から10月4日までの
9日間、ムーランで盛大なお祝いが行われました。
当時のパンフレットを見ると、パレ・ドールは勿論、ショコラやショコラトリーの歴史に関する展示があったり
ガラ・ディナーも催されています。

ガラ・ディナーのメニューは、カカオをスパイスとして使用した料理3種類、ショコラを使用したデザート3種類と
それに合わせたワイン3種類が用意されました(デザート用はL’Etoile Banyuls 1989 Macéré tuilé)。
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                ↑ カカオを使った料理3種の紹介された百周年記念のパンフレット

また、セラルディに敬意を表して、フランスの有名なチョコレート菓子のビュッフェもありました。
(Bonnat,Dufoux,Gillotte,Giraud,Jarriges,Lefort,Mathevon,Muzeau,Pralusの9名による菓子)
知っていれば、ぜひ参加してみたかったですね!


後日談
パレ・ドール百周年記念のパンフレットにはルセットは無いものの、セラルディ時代のパレ・ドール制作行程が
書かれていました。
こんな感じ・・・
ガナッシュは絞り出し袋でpapier en soie(薄葉紙)に絞りだす。
ココアパウダーを振って、2本のレールを置いてから麺棒で平らにならす。涼しい風の当たるところに置く。
トランペ後にチョコをのせていく場所に予め小さな刷毛を使って金箔を散らしておく。
手作業でトランぺし、上部を押さえて平らにする。


これを見て、「現在とセラルディ時代のパレ・ドール食べ比べ」をしてみたいと思い、
当時のルセットを持っているであろうジャリッジュ氏に作って貰えないか問い合わせてみましたが、
下記のような返事が届いて残念ながら願いはかないませんでした。
我々はセラルディ時代のものよりもクリーミーで色の濃いガナッシュへと少しずつ改良を行い、
衛生面も大きく改善されました。現代の味覚に合わない19世紀の方法で作ることはお話になりません。

大量に作れるようになったと言うのに、わざわざ少ない量をつくるなんて到底受け入れらないことでしたね…^^;


訪問時、このお店には場違いと思える色鮮やかな多色のカリソンを目にして「違和感」を感じ、
パレ・ドールの金が「転写シート」だったことはショックでさえありました。
なぜ、そんなことになったのでしょうか?

訪問時に頂いた2002年度のカタログに載っているパレ・ドールには本物の金箔が、
その次に頂いた2003年度のカタログでは転写シートに変わっていたのは、
所有者が変わってからどんどん機械化(合理化)が進み、パレ・ドールの金箔のことを始め多くのことが変わってしまったことを表しているのだと思います。
(勿論技術的な近代化は必要だし、現代人の味覚に合わせる変化は必要だと思いますが品質は・・・)
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  ↑ 2002年のカタログ                     ↑ 2003年のカタログ


知り合いのショコラティエにこのことを話すと「まさか!」という声が出ましたが、もし今でもこの状態が続いているのだ
とすれば、なんだか残念でなりません。



                               ※※※



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by le_cacaoyer | 2013-09-08 21:29 | ⑦Centre
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